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2024年11月04日

文明という痴呆症。

新しい建物が建つと、以前そこにあった建物が思い出せなくなる。

新しい日常が動くと、以前そこにあった日常が思い出せなくなる。

 

雨宿りをしている、あの中立な表情。

電車じゃない何かを待っている、あのか弱い焦点。

伝言板に塗られた、あの粉っぽい文字。

文庫という別世界に移動中の、あの下がらない目線。

 

大人の世界を覗き見したときのあの表情が、

新しい日常が来るたび一つひとつ、思い出せなくなる。